俳優としては韓国人初のアカデミー賞を受賞したユン・ヨジョン。
そのアカデミー賞 授賞式、ノミネーターのユン・ヨジョンは、今後の韓国映画のために肌で感じてしっかり経験するようにと、『ミナリ』の娘役 ハン・イェリを共だって授賞式に参加した。
アカデミー賞バックステージでの『ミナリ』チーム
デビュー当時のハン・イェリは?
ハン・イェリは、韓国芸術総合学園で伝統芸術の韓国舞踊を専攻し、将来は舞踊家を目指していた。有名監督の卒業生を沢山排出する同学園の映像院の学生らが制作した映画の振り付けなどを担当しながら俳優としても度々出演していたハン・イェリは、そうして引き受けた出演作によりインディー映画の登竜門、ミジャンセン映画祭で2度も演技賞を受賞し、早くから独立映画界のスターとなっていた。
しなやかなで端麗な容姿で、俳優として活動することになった彼女の本名はキム・イェリ。だが同一人物が多く芸名が必要だと考えた彼女の母は、唯一無二なイェリ＝ハン・イェリ（ハンは、「ひとつ」の意味の韓国語）を思いつく。
ハン。イェリが注目され始めたのは、実際にあった1991年の世界卓球選手権大会に参加した南北卓球チームの活躍を映画化した、『ハナ〜奇跡の46日間』で北朝鮮の選手リュ・スンボクを演じてからだ。
スンボクは、劇中で内面的に成長する選手として描かれ、後半には重要な試合が再現される実在の中心人物。また実際のスンボク選手は右利きのため、左利きの彼女には猛特訓が必要とされる役であった。本作のモデルで制作時に卓球指導を行ったヒョン・ジョンファは撮影当初、卓球なんてできないほど細いと心配した太ももが、本番では運動選手のように立派で驚いたという。
ハン・イェリは本作で、第49回百想芸術大賞 新人女優賞を受賞している。
スンボクは、劇中で内面的に成長する選手として描かれ、後半には重要な試合が再現される実在の中心人物。また実際のスンボク選手は右利きのため、左利きの彼女には猛特訓が必要とされる役であった。本作のモデルで制作時に卓球指導を行ったヒョン・ジョンファは撮影当初、卓球なんてできないほど細いと心配した太ももが、本番では運動選手のように立派で驚いたという。
ハン・イェリは本作で、第49回百想芸術大賞 新人女優賞を受賞している。
前作の『ハナ〜奇跡の46日間』など、北朝鮮出身の役が多いことでも知られるハン・イェリは、映画『青い河は流れよ』(2008)の撮影で中国延辺に滞在していたが、撮影を終えて帰国時にしばらく中国から出国ビザが発給されず、4ヶ月あまり現地に滞在することになったという。共演者と長い時間を過ごして身につけたリアルな方言は、その後の『ザ・スパイ』『海にかかる霧』『春の夢』出演のきっかけとなった。
早くから海外の映画祭で注目されていた中国出身のチャン・リュル監督は、近年韓国で映画製作を行っている。イェリは『春の夢』で寝たきりの父親を看病しながら居酒屋を営む主人公イェリを演じ、実際に韓国で現役として活躍する映画監督のヤン・イクチュン、ユン・ジョンビン、パク・チョンボムらと俳優として共演、男性からも女性からも愛される溌剌とした魅力的な女主人を好演し、第18回釜山映画批評家協会 主演女優賞を受賞している。
私は韓国から母親がアメリカにやって来た時のハン・イェリの演技が特に好きです。
外見上では特に似てない二人が、彼女の繊細な演技によって“母娘”、そして”家族の温度“を感じさせてくれました。
『ミナリ』に寄せたポン・ジュノ監督のコメント
ユン・ヨジョンさんはとても勇気がある方だと思いました。
『ミナリ』撮影の６週間はマネージャーもなく2人で現場にいました。
「イェリ、ここでは誰も助けてくれないからしっかりしなきゃダメよ。」
私も彼女のように歳を取っても安住することなく、躊躇うことなく挑み続ける役者になりたいと思います。
『ミナリ』出演の後、ハン・イェリはアメリカでのマネジメント契約を交わしたという。今後の活躍がとても楽しみである。
主な出演作品
| 映画タイトル | 製作年・監督 | VOD/レンタル |
|---|---|---|
| 鬼Ghost |
(2010年/キム・ジョグァンス監督) | |
| ハナ〜奇跡の46日間 | (2012年/ムン・ヒョンソン監督) 第49回百想芸術大賞新人女優賞ほか |
U-NEXT無料トライアルで今すぐ見る |
| サウス・バウンド | (2012年/イム・スンレ監督) | |
| 同級生 |
（2013年/パク・ホンス監督） | |
| 海にかかる霧 | （2014年/シン・ソンボ監督） | U-NEXT無料トライアルで今すぐ見る |
| ワンナイト・カップル | （2015年/ハ・ギホ監督） |
U-NEXT無料トライアルで今すぐ見る |
| 六龍が飛ぶ | （2015年/シン・ギョンス監督/テレビドラマ） | U-NEXT無料トライアルで今すぐ見る |
| 最悪の1日 | （2016年/キム・ジョングァン監督） 大韓民国演技大賞映画祭 主演女優賞 |
|
| ザ・テーブル | （2016年/キム・ジョングァン監督） | |
| 春の夢 | （2016年/チャン・リュル監督） 第18回釜山映画批評家協会 主演女優賞 |
|
| ファイティン！ | （2018年/キム・ヨンファン監督） | U-NEXT無料トライアルで今すぐ見る |
| 人狼 | (2018年/キム・ジウン監督) |
|
| 緑豆の花 | （2019年/シン・ギョンス監督/テレビドラマ） |
U-NEXT無料トライアルで今すぐ見る |
| ミナリ | (2020年/リー・アイザック・チョン監督) | 上映中 |
- Netflixで観るべきドキュメンタリー5選（前編）
- 【エビス映画倶楽部／これからNETFLIXで観られるオススメ作品情報～欧米編～】
- 韓国映画界の潮流【キーワードは「女性たちの連帯」】
- 【見逃し要注意】 2021年後半期Netflix配信の韓国ドラマ
- 2021年 本年度アカデミー賞 受賞の話題作『ミナリ』主演 ハン・イェリ出演作品を一挙ご紹介